・心拍計ってランナーがよく使ってるけど、泳ぐ時にも心拍数って測った方がいいのだろうか?
・そもそも水中で心拍計って使えるのかな?防水心拍計にどんなものがあるのか知りたい。
そんな疑問にお答えします。
どうも。トライアスロンをやっているので、心拍計とはお友達のMahhyです。
ランニングや自転車ではおなじみの心拍計。
有酸素運動をする上で、心拍数を管理することは、トレーニングの適切な強度を知り、またレースでペースを調整するためにも欠かせません。
あれ?これってスイムでも活用できるのでは?ということで調べてみました。
結論としては、防水心拍計はガーミンとポラールのほぼ二択です!
目次
スイムの心拍数を計測する効果
客観視しづらいのがスイム、自分の泳ぎの無駄を知る
わたし自身がトライアスロンをやっていて、その中でスイムが一番苦手(涙)なのでよくわかるのですが、下手な人ほど焦って泳いでしまうものです(ですよね?)。
ランニングでペースを落としてのんびりジョギングするというのは、意識すれば誰でもできます。
でも、ゆっくり泳ぐって難しいんですよね。
沈みそうな気がしてついバタバタ足を蹴ってしまいますし、水をしっかりつかまえることができないからスピードを出そうとすると腕の回転ばかり上がってしまいます。
だから25mや50mなら何とかなっても、水泳が苦手な人って何百メートルも続けて泳ぐことができません。どうしても息があがってしまうからです。
そこで、泳ぎの上手な人との違いを知るためにも、泳いでいる時の心拍数を測ることは効果的です。
泳ぎが苦手な人は、自分で思っている以上に心拍数が上がっているものです。
心拍数というわかりやすい数字から、いかに自分が無駄な泳ぎをしているのかを、しっかりと認識することがまず上達への第一歩と言えます。
泳力の向上が数字で確認できモチベーションが上がる
基本的に水泳の泳力は、25mなり50mなりのタイムで判断しますよね。
でも、単にタイムだけを基準にしていると、仮に前回よりタイムが縮まったとしても、実は前よりがむしゃらにピッチをあげて泳いでいただけなのかもしれません。
これでは泳力が向上したとは言い難いです。
そのためには、例えばSWOLF(スウォルフ)といって、タイムとその間のストロークの数を合算した値を参考にするという方法もあります。
SWOLFの算出方法
SWOLFスコア=時間(秒)+ストローク数
(例)50mを20ストローク(左右1セットとして20掻き)で60秒で泳いだ時のSWOLFは、20+60で80
ストローク数が変わらずにタイムが縮まっていたら、SWOLFの値も下がるので、それをもって泳力の向上を認めることができるのです。
もうひとつの泳力の向上を確認する方法が心拍数の計測です。
がむしゃらに泳いで心拍数が前回より高かったとしたら、タイムが短縮したとしても手放しでは喜べません。
逆に心拍数が変わらずに速くなっていたら(もしくはSWOLFが下がっていたら)、それは間違いなく泳力が上がったということです。
「なんとなく速くなったかなぁ?」ではなく、心拍数とタイムという明確な数字でレベルアップを実感できることはモチベーションアップに直結します。
レース時の心拍数で自分の泳ぎを振り返ることができる
これはトライアスロンのスイムやオープンウォーターの大会に限っての話になってしまいますが、きちんとレーンで分けられたプールを一人で泳ぐのと、海を集団で泳ぐレースはまったくの別物です。
集団で泳ぐことによって起こる「バトル」と言われるもみくちゃ状態。
また人の後ろを泳ぐことで体力を温存できる「ドラフティング」。
そして、ブイをぐるりと回るなどコースが直線だけじゃないのもプールとは違いますね。
こうした理由から、海で泳ぐレースはフィニッシュまでの間に様々な変化があり、決して淡々と一定ペースで泳げるわけではありません。
レース中の心拍数を後からデータで確認することで、自分がバトルで必要以上に体力を消耗してしまっていたか、ドラフティングで賢く省エネできていたか、などを判断することができ、それが次回のレースに活きてきます。
PDCA(プラン・ドゥー・チェック・アジャスト)のサイクルにおける「チェック」を、感覚に頼らずデータに基づいてしっかりできるということです。
プールや海で使うために必要な心拍計の機能とは
しっかりとした防水機能(当たり前ですが)
これは当然のことですが、プールや海で使うためには心拍計にしっかりとした防水性能が備わっている必要があります。
耐水性の等級として用いられるのがIPという表記。
IPは0~8の等級があり、たとえば雨や水滴で濡れる程度は大丈夫なのがIPX7。
最高ランクのIPX8が、水泳でも使える等級になります。
IPの他には「水深〇メートル」という表記のされ方もします。
泳ぐときに使うなら、水深30~50mというものを選びましょう。
スキューバダイビングじゃないんだから水深50mのところを泳がないよ、と思うかもしれませんが、そうではありません。
例えば「水深5m」というのは、水深5mのところに沈めて置いておいても大丈夫という意味であり、水泳のように激しく動かしていいという意味ではありません。
ですので、水深30m以上の水圧に耐えられるぐらいでないといけないとされているのです。
参考
光学式は水中では使えないので胸ベルト式が必須
最近では心拍計といえば、手首につけるスマートな腕時計型が人気です。
これは、手首の肌に接触する部分にある光学式センサーが、LEDを手首に照射して、血流によって反射される散乱光を測定することで、血流の変化を推測するという仕組みになっています。
しかし、まだまだ精度は低いと言わざるをえません。
致命的なことに水中では、腕時計型心拍計と手首の間に水が入り込むため、正確な心拍数を測ることができないのです。
水中では水がウォッチの下を通るので光学センサーによる正確な心拍数の読み取りに影響するため、スイミングなど水中でのスポーツアクティビティでは正確に心拍数の読み取りができない可能性があります。
というわけで、プールや海で心拍数を測るためには胸ベルト式の心拍計でなくてはいけません。
ひとまず「胸ベルト不要」という言葉は忘れてください。
内蔵メモリで心拍データを蓄積
胸ベルト型心拍センサーで水中で心拍数を計測することができても、そのデータを信号で送信することが水中では困難です。
現在の心拍計の多くは、ANT+やBluetooth LE (Smart) という通信規格を使用していますが、この電波は水中を透過することができません。つまり心拍計本体に信号が届かないのです。
そこで、必要となるのが心拍センサー自体にデータを蓄積するための内蔵メモリです。
水中で泳いでいる間は心拍数計測データを心拍センサーに保存しておき、水から上がった時にデータを送信するという方法になります。
防水性能、胸ベルト(心電式)、内蔵メモリ
この三つが揃って、はじめて海やプールで泳いでいる時の心拍数を知ることができるのです。
そうした条件をそろえた心拍計をいろいろ調べたのですが、結局ガーミンかポラールの2つに絞られました。
それしかないんかい!というツッコミが聞こえてきそうですね(汗)。
いや、そりゃ他にもあるにはありますよ!SUUNTOのスマートベルトセンサーとか。
でも、機能と値段を総合して考えると、ガーミンもしくはポラール以外をわざわざ選ぶ理由がどうしても思い当たらなかったのです。
デザインの好みがSUUNTOじゃないとだめ!(たしかにフィンランドメーカーのオシャレさがありますよね)みたいな場合をのぞけば、やはりガーミンかポラールで決まりではないかな、と。
というわけで、ガーミンとポラールの防水心拍計を詳しく紹介します。
オススメその1:GARMIN(ガーミン) ハートレートセンサーHRM-Tri(with ForeAthlete920XTJ)
例えばトライアスロンをやっていると、ランとバイクで心拍数を測るのは当たり前です。
そうなると
プールでも心拍数を測りたい。
そして、トライアスロンのレースではスイム、バイク、ラン全部を通して、心拍数を測りたい。
そう思うようになるのは、自然の流れです。
そうしたニーズにぴったりなのが、ガーミンのHRM-Triという心拍センサーと腕時計型のForeAthlete 920XTJとの組み合わせです。
ガーミンHRM-Tri心拍センサーの機能
HRM-Triは、その名の通り、トライアスロンのために開発された心拍センサーです。
まず防水性能は水深50m。かんぺきです。
これは、プールはもちろん、荒れ狂う波の間を泳ぐトライアスロンのスイムパートや、オープンウォータースイムの大会などの、より過酷な環境下でも問題なく使えることを意味します。
そして通信方式は、ガーミン全般に用いられているANT+。
ANT+の電波は水中では通信できませんが、このHRM-Triはメモリ機能があるため、泳いでいる間は心拍数データをセンサーに蓄積しておき、運動後に対応機器に送信することができます。
そのほか、トライアスロンのための心拍センサーということで、スイムのほかに、ランニング動作解析を行うための上下動やぶれを感知する機能がついています。
ForeAthlete920XTJとHRM-Triの組み合わせがトライアスロンには最強
こうしたHRM-Triの能力を最大限に発揮できるのが、同じくガーミンのForeAthlete 920XTJとの組み合わせです。
もちろんANT+が受信できるほかのガーミン製品でも心拍数を表示することができますが、トライアスロンにもっとも有効なのが、このマルチスポーツ対応の920XTJとなります。
この腕時計型スポーツウォッチはGPS機能があるため、屋外でのスイムでも距離を計測してくれますし、オープンウォータースイムで無駄のないコース取りができたかどうかを確認できます。
またストローク数を感知する機能もついていて、先ほど説明したSWOLFスコアを自動的に計算してくれます。
SWOLFと心拍数のデータを合わせて見ることで、自分の泳力の変化が多角的に分析できるのは、この組み合わせならではと言えるでしょう。
そしてランニングでは、HRM-Triが感知した走っている時の上下動などのデータから、ランニングダイナミクス(走りの効率性)を測定してくれます。
ボタンひとつでスポーツのモードを切り替えることができるので、トライアスロンレースのトランジションではまごつくことがありません。レース中って余裕がなくなりますから、これはうれしい機能です。
このように非常に多機能なHRM-Tri 心拍センサーとForeAthlete 920XTJの組み合わせですが、それだけに安価ではありません。
HRM-Triセンサーが実売価格16,000円程度。
ForeAthlete920XTJが40,000円程度。
さすがに本格モデルなだけはありますね。
もっとコストをおさえて心拍トレーニングをしたい、という人には次のポラールがオススメです。
オススメその2:POLAR(ポラール) H10心拍センサー
ガーミンのForeAthlete920XTJとHRM-Triセンサーの組み合わせはたしかに最強です。
これがあればなんでもできると言っても過言ではありません。
ただ、お値段がそこそこしますし、もう一つ難点が。
それは、日本のプールの多くでは、腕時計やブレスレットをつけて泳ぐことが禁止されている、ということです。
あなたが通っているプールはどうでしょうか。わたしが通っているJexerでは禁止です。
腕につけて泳げないのなら、ガーミンのストロークカウント機能なども宝のもちぐされです。
そこでオススメなのが、POLAR(ポラール) のH10心拍センサーです。
先にそのメリットをまとめますと
・必要なのは心拍センサーのみなのでどこのプールでも大抵使える。
・スマホアプリで心拍データを確認できるのでコスパよし。
ポラールH10心拍センサーの機能
ポラールは1977年にフィンランドで設立されてから一貫して心拍計の開発を進めてきたメーカーです。
「心拍計といったらポラール、ポラールといったら心拍計」というぐらいその信頼度は高く、スポーツから医療の分野まで幅広く用いられています。
わたしも長年、ポラール製の心拍計を使っていますが、それ以前に使っていたSUUNTO社のものよりデータのぶれや異常値が少なく、精度が高いと感じています。
H10心拍センサーは、そんな心拍計メーカーの雄ポラールが満を持して発売した、最上位モデルの心拍センサーです。
防水性能は、水深30m。
ガーミンの50mには及びませんが、水泳で使うにはこれでも十分といえます。
計測精度はポラール史上最高をうたっています。
心拍センサー自体に内蔵メモリがあり、トレーニングセッション1回分の心拍データを蓄積しておくことができます。
そしてH10の通信規格はANT+ではなくBluetooth LE。
Bluetooth LEなので、スマホで直接受信することができます。
さらにH10はBluetoothデバイス2台と同時に連携できるので、スマホとPolarウォッチの同時使いも可能です。
また、Bluetoothの他に、5 kHzの電波(Gymlink)でも通信可能です。これについて詳しくは次で説明します。
スマホ対応のため手ぶらで心拍トレーニング可能、コスパもよし
H10心拍センサーの機能をざっと紹介しました。
ではより具体的にどのようにプールで使うかをご説明しましょう。
まずスマホ(iOSまたはAndroid)専用アプリPolar Beat を使って、H10センサーとスマホをペアリング(同期)します。
それからプールでトレーニングを開始すればその間の心拍数はセンサーに蓄積されます。
トレーニングの間はスマホをプールサイドに置いておく必要はありません。
スマホ持ち込み禁止のプールも多いので、これはうれしいですよね。
もちろん泳ぎ終わった直後にデータを確認したいという場合は、手元にスマホを置いておかなといけませんが。
運動終了後には、スマホが近くになくてもチェストストラップからセンサー本体を取り外せば、自動的に計測はストップされます。
あとは、スマホを置いておいたところに戻れば、自動的にデータが転送されます(ただしストラップからセンサーを取り外している場合は再度ストラップに取り付ける必要あり)。
腕時計型のスポーツウォッチが禁止されていないプールであれば、PolarのV800を使うとH10の機能がフル活用できます。
さきほど機能のところで触れましたが、H10はBluetoothの他に、5 kHzのGymlinkという電波も送信することができます。
Bluetoothは水中では使えませんが、Gymlinkは水中でも通信が可能な電波なので、Gymlink対応のV800を腕につけていると、まさにリアルタイムの心拍数をチェックすることができます。
V800はストローク数や泳いだ距離を計測することができるので、Garminの920XTJにひけをとらない高機能モデルといえます。
まぁ、お値段も50000円近くしますけど…。
そこまで細かいデータはいらないよ、という人であれば、H10心拍センサーさえあれば、水泳でも心拍トレーニングが可能になるので、非常にコスパがいいと言えます(ガラケーしか持ってないよという人はすいません…)。
だって、定価で12,744円。Amazonなどの実売価格では10,000円程度で買えますからね。
その点はガーミンよりも断然オススメです。
「プールで使えるオススメ防水心拍計ガーミン vs ポラール」まとめ
いかがでしたでしょうか。
ガーミンとポラール結局どっち?と迷いますよね。
トライアスロンで、水泳以外でも幅広く使いたいという人は、ガーミンのHRM-Tri 心拍センサーとForeAthlete 920XTJの組み合わせがベストでしょう。
(ポラールのH10心拍センサーとV800の組み合わせでも同等のことができますが、それなら合計価格が安いガーミンの方がオススメです)
通っているプールで腕時計が禁止されているという場合は、心拍センサーだけをつけて泳げばいいので、ガーミンのHRM-Tri 心拍センサーでもポラールのH10心拍センサーでも大丈夫です。
ただ、なるべく安くおさえたいという場合は、ポラールのH10心拍センサーのみを使って、スマホ専用アプリで計測するという方法がいいでしょう。
すでにバイクのサイコンや、ランニング用のスポーツウォッチにANT+対応のガーミン機器を使っているという人は、もちろんガーミンのHRM-Tri 心拍センサーだけを買い足せばいいですね。
ぜひ用途と価格のバランスを見ながらベストな組み合わせを選んでくださいませ。
私、AmazonのKindle書籍として
『アラフォーからのトライアスロン』を出版しました!
内容を一言で言うと、館山トライアスロン挑戦記です。
読み終わったら、あなたは必ずトライアスロンをやりたくなる!!
というわけで、ぜひ試し読みしてみてくださいね。
追記:Kindle Unlimitedなら読み放題で読めます。