【巡航速度35km/hへの道】シリーズの第7回目です。
前回、「FTPは上げるもんじゃない!上がるもんだ!」という重大なことに気づき、自分に足りないものをより正確に知る必要を感じたわたし。
そこで『パワー・トレーニング・バイブル(以下パワトレバイブル)』を読み直して、パワープロフィールと疲労プロフィールを作成することにしました!
・パワープロフィールと疲労プロフィールって何だ?
・こつこつテストしてプロフィールを作成。
・その結果をもとに、今後のトレーニング計画をじっくり考える!
それでは、いってみましょう!
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目次
パワー・疲労プロフィールってなに?
パワープロフィールとは
「パワープロフィール」とは、簡単に言うと、持続時間別のパワーを調べたものです。
具体的には、5秒、1分、5分、FTPです。
これらの時間が選ばれている理由は、
これらの持続時間でこそ「神経筋パワー」,「無酸素運動容量」,「最大酸素摂取能力(VO2max)」,「乳酸閾値(LT)」がもっともよく反映されるから
『パワー・トレーニング・バイブル』p.88
だそうです。
これを調べることで、自分の脚質がわかります。
スプリンタータイプなのか、タイムトライアル向きなのか、はたまたオールラウンダータイプなのか。うーん、なんだかプロ選手みたいですね。
でも、わたしのようなパワトレ初心者こそ、このパワープロフィールを調べるべきです。理由はあとで詳しく説明します。
疲労プロフィールとは
次に「疲労プロフィール」とは、簡単に言うと、各レベルのパワーを出した時の疲労しやすさを調べたものです。
もう少し詳しく説明すると、「レベル7:神経筋パワー」「レベル6:無酸素運動容量」「レベル5:最大酸素摂取能力(VO2max)」「レベル4:乳酸閾値(LT)」というそれぞれのレベルのパワーを繰り返した場合のパワーの低下幅を調べます。
これによって、疲労抵抗力、つまり「何発でも同じパワーを出せる」か、「一発出したらその後は抜け殻になる」か、が分かります。
パワー・疲労プロフィールを計測すべき理由[自分の弱点と強みを明確にすることで練習方針が決まるのだ]
トレーニングとは、明確な目的意識をもち、そのための適切な手段を選ぶことが重要です(と自分に言い聞かせている)。
時間も体力も限りがあります。
闇雲に毎日乗り込めばいいというものではありません。
わたしの場合、「40kmの距離(トライアスロンのバイクパート)を35km/hで走り通す」ことが目標です。
そこに到達するために、意を決してパワーメーターを導入し、FTPも測りました(215W/3.4倍)。
それでは、あとはFTPを上げるために、スイートスポット(FTP88-93%)で日々トレーニングすればいい?
違いますよね。
FTPは走力の一部分を数値化したものです。
その一部だけを切り取ってそこだけを鍛えても、木を見て森を見ず。
総合的な走力の底上げにはなりません。
言い方を変えるなら、わたしのFTPが今の数字なのは、さまざまな要因が組み合わさった結果でしかないのです。
だから、もしかしたらもっと上のゾーンを刺激すれば伸びるのかもしれないし、逆に下のゾーンを鍛えるべきなのかもしれません。
それが、単にFTPテストをしただけでは知りようがないのです。
繰り返しますが、時間も体力も限りがあります。
ですから、優先的に鍛えるべき能力を突き止めることは、プロ選手ではない我々ホビーアスリートにこそ必須なのです。
そして、自分のウィークポイントや伸ばしやすい能力などを見極めるために行わなければいけないのが、パワープロフィールと疲労プロフィールというわけです。
自分の能力や脚質なんて、やってみないと分からないものですよ。
わたしは、驚きの結果となりました…(後述)。
パワー・疲労プロフィールのテスト方法
パワープロフィールのテスト方法
パワープロフィールの調べ方は、単純です。
5秒、1分、5分は、それぞれその時間思いっきり自転車を漕いで、パワーを測ります。
FTPは、よく知られている通り、5分全力走をした後に休憩をはさんで20分全力走。
その20分間の平均パワーから5%引いた値となります。
『パワトレバイブル』には、一回のテストでこれらすべての値を出すメニューが記載されていますが、まぁ上級者以外は普通に途中で疲れるのでやめましょう(笑)。
疲労プロフィールのテスト方法
疲労プロフィールテストは少し複雑です。
レベル4~7それぞれテスト方法があります。詳しいやり方は『パワトレバイブル』を読んでいただくとして、ざっくりと。
50m程度のスプリントを3回、150m、250m、300m程度をそれぞれ回復走5分をはさんで全力疾走!
あとで5秒、10秒、20秒間の最高パワーを確認します。そしてパワーの差を『パワトレバイブル』のガイドラインにあてはめて、平均以下、平均、平均以上などを判断します。
30秒、1分、2分を全力走。あいだに回復走4分をはさみます。
30秒と1分、1分と2分のパワーの落ち込み(%)を、やはりガイドラインでチェックしましょう。
3分、5分、8分を全力走。あいだに回復走5分をはさみます。『パワトレバイブル』ではその後20分走もやることになってますが、まぁそれはいいでしょう(笑)。
3分と5分、5分と8分のパワーの落ち込みをガイドラインでチェック。
20分の平均パワーを計測します。それと60分、90分の標準化パワー(NP)をそれぞれガイドラインに当てはめます。
ただし60分と90分は正確なパワーを単独走で測るのは難しい(たれる、飽きる)ので、レースに出た時などのデータから抽出することが推奨されています。
以上です。
ざっくりな説明ですいません…。でも結局『パワー・トレーニング・バイブル』がないと、分析しようがないので、1冊手元に置いておきましょう。
明らかになってしまった自分の弱点[The一般人…]
さて、パワー・疲労プロフィールを作成するぞ、と意気込んだものの、一通りテストしてデータを揃える作業は1日では終わりません。
パワープロフィールの5分とFTPについては、FTPテストですでに判明していたのですが、それ以外の5秒と1分のパワー、それに疲労プロフィールのレベル5〜7を調べるのに、全部で4回、日を分けて走りました。
ま、その過程はどうでもいいので割愛。
テスト結果を発表したいと思います。
まずはパワープロフィール。
5秒/758W/一般(トレーニングなし)
1分/378W/一般(トレーニングなし)
5分/245W/普通~まずまず
FTP/215W/普通~まずまず
ん?見間違いかな?
なんか「一般(トレーニングなし)レベル」の文字が…。
もう一度『パワトレバイブル』を凝視!
ま、間違いない…!
5秒と1分のパワーが、一般人レベル!!
いや、そりゃたしかにわたし、一般人ですけど、これって何もトレーニングしていない人と同レベルということですよね。
さすがにショックが大きいですわ。
とりあえず気を取り直して、次に疲労プロフィールの結果を。
レベル5(VO2max)平均
レベル6(無酸素運動容量)平均以下
レベル7(神経筋パワー) 平均以上
だそうです。ふうむ。
思うに、レベル7が平均以上になっているのは、そもそもスプリントで限界までパワーが出せていないから、何度も同じぐらいのパワーが出せただけなのではないかと思います(なかなか鋭い!)。
他は平均か平均以下。
というわけで、総合してみると特にいいところが見つからない、トホホな結果となりました。
「パワープロフィール・疲労プロフィールを測ってみた」まとめ
「自分のことは自分が一番わかっている」とよく言いますが、今回のプロフィールテストを通して、案外自分の感覚なんて当てにならないことがわかりました。
わりと単純に、小中高と足が速い方だったから(いわゆるリレーの選手になるやつ)、バイクでもなんとなく自分は短距離の方が強いんじゃないかなー、と勝手に思っていたんですよね。
でも、結果はまさかの「トレーニングなしレベル」…。
ま、ドンマイ!伸びしろ伸びしろ!(誰かそうだと言ってくれ!)
一通りテストをこなして短所がはっきりしたので、それをつぶしながらトライアスロンのバイク能力を上げていくようなトレーニング計画を立てることにします。長くなりそうなので、次回に続く!
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