どうも。トライアスロンのラン(10km)で40分切りをするのが目標のMahhyです。
「蹴り足を高く巻き上げろ!」に続いて、今度は上半身に着目してランニングフォームの考察を行いたいと思います。
今一歩走りがブレークスルーしないんだよなぁと思っているあなた、実は腕振りについてあまり考えたことがないんじゃありませんか?
ヒジを引くように走ればいいんでしょ?
と思っていませんか?
甘―い!!!
間違ってはいませんが、その理由を理解しているかどうかで、走りの質は断然変わってくるんです。
目次
腕振りの一般的な解説「ヒジを引け!」
ランニングのフォームの中で腕振りはとても重要です。
もちろん、そんなことはある程度まじめに走っている人なら誰でも知っているでしょう。
その腕振りについてよく言われるのが、
ヒジをしっかりひくこと。
たしかに正しいとは思います。
かと言って、本当にヒジをしっかり引けば、それで万事OKかと言えば、ちがうんじゃないかなぁというのがわたしの考えです。
なぜならランニングは全身運動だからです。
身体の一部に意識をしぼっても、連動性が生まれません。
身体をひとつのユニットとしてとらえた中で、ヒジを引くという行為がどのように各部位につながって結果的に推進力を発揮しているのか。そこをきちんと理解しなくてはいけません。
そもそも腕は振るものなのか、それとも振られるものなのか
そう。まず大前提として、腕は意図的に振るものなのでしょうか。それとも勝手に振られるものなのでしょうか。
そこから考えてみたいと思います。
人によって意見は違うと思いますが、わたしなりの意見としては、
正しい走りをすれば自然と腕はリズミカルに振られるが、そのリズムを崩さないように、そこにわずかに意識的な腕振りを加えることができれば、さらにグイッと進むようになる!
というものです。
まずは腕振りが自然と生まれる芯の通った走りを身に付けよう
試しに、腕の力を抜いて、肩からだらんと垂れ下がった状態で、走ってみてください。
当然、着地のたびにぶらんぶらんと腕は揺れてしまいますよね。
でも、身体にしっかり芯が通った状態で走っていると、次第にこのぶらんぶらんの周期が一定になってきます。
それはすなわち下半身の脚の動きと連動した腕振りになっているということです。
逆に、芯が抜けた、体幹がふにゃっとした、上半身と下半身がばらばらに動いているような走りでは、いつまでたっても腕はぶらんぶらんと不規則に揺れるだけです。
走りのリズムに呼応して自然と腕振りが生まれるようになれば、うまく上下がつながった走りができているということです。
このリズムに合わせた腕振りができていることが、まず前提条件となります(キロ4分切りペースでハアハア言っている男がえらそうに語っています)。
リズムを崩さず腕振りをわずかに強めるさじ加減がポイント
地面に着地した時に地面から受けた反力というエネルギーが、脚を伝わり、骨盤から脊柱を貫いて、上半身までしっかり届くと、そのエネルギーの余波により、着地した脚とは反対側の腕振りが開始されます。
腕振りによって上半身と下半身のつなぎにねじれの力がたまり、その力が開放されることで今度は逆の脚が前に振り出されていきます。
この繰り返しが、上半身と下半身が連動した走りになるのですが、この一連の流れを見返せば、腕振りは別にわざわざ意識しなくても十分走れることがわかります。
ただし、その先のスピードを求めるのならば、やはり腕振りの力が必要になってくるのです。
といっても、腕振りの意識が先行して、もともと走りのリズムと呼応していた腕振りのリズムを狂わせてしまっては、はっきり言って逆効果です。
それぐらいだったら、腕振りのことはすっぱり忘れて、体の中心から生まれるエネルギーに素直に従って、自然な腕振りだけしていた方がいいです。
最も重要なのは、リズムを崩さないことなので、腕振りに力を入れるといっても、ほんのわずかです。
腕が後ろにいく時に、すこしだけその動きを加速させるような力を入れて、腕振り全体の動きをほんの少し大きくするようなイメージです。
こうすることで、下半身の動きに連動していた腕振りが、今度は下半身の動きを先導するようになり、その相乗効果によってグンとスピードが上がるのです。
逆に考えると分かるヒジを引くことの重要性【ヒジを前に振る意識ではどうなるか】
ヒジを前に振る意識ではだめなのか
腕振りとは、ヒジを前と後ろに交互に振る動きです。
ランニングでは「ヒジをしっかり引く」ことが推奨されていますが、逆にヒジを前に振り出す意識で走ってはいけないのでしょうか。
やってみると面白いことがわかります。
ヒジを前に投げ出すような形なので、どんどん体が前に引っ張られて進んでいくのです。
あれ?これでもいいんじゃない?と思った時もありました。
でも、やはりそれじゃだめだとそのうち分かりました。
なぜなら、ヒジを前に前に、と思っていると、肩甲骨を背中に寄せておくことができず、徐々に背中も丸まっていきます。
こうなると、しっかりと肋骨を広げて胸式呼吸で空気を吸うことができなくなります。
呼吸が浅くなり、当然疲労が蓄積されていってしまうのです。
ヒジを引くことの効果
こうして逆のフォームだったらどうだろう、と考えてみると、正しいとされるフォームの利点が見えてきます。
ヒジをしっかり引くこと。
よく言われているこの腕振りの動作ですが、ヒジをしっかり引くことを意識すると、当然ながら肩甲骨が閉じていきます(背骨に寄っていく)。
肩甲骨を寄せた状態で、背骨が丸まってしまうことはありません。
自然と胸がやや上を向いた堂々としたフォームになり、これはすなわちしっかり胸郭を動かして胸式呼吸で空気をたくさん取り込めるフォームです。
肩甲骨が閉じ、背骨が丸まらず、どちらかというと反り気味になると、骨盤は必然的にやや前傾します。
これがすべてがつながっているという理由です。
ヒジをしっかり引くというイメージによって、胸式呼吸がしっかり行え、また骨盤が前傾するためによりスピードを上げた走りができるようになるのです。
「腕振りはなぜ「ヒジを引く」が正解なのか」まとめ
もう一度言います。
腕振りは重要です!
特に、バイクの後で脚がある程度へばった状態でランニングにうつるトライアスロンにおいては、最後は腕振りによって脚を動かしているといっても過言ではありません。
そして、腕振りにおいてヒジをしっかり引くことは確かに必要です。
でも蹴り足を高く巻き上げることの有効性について考えた時も同じことを書きましたが、単に形だけを真似してもだめなんです。
正しいとされるフォームにはすべからく理由があります。
その理由を頭ではなく体で理解することができれば、あとはそれをそのまま取り入れるもよし。自分に合わせて微修正するもよしです。
身体に芯が通った上で、グイグイと腕振りで脚の動きを引っ張っていくような躍動的なフォームは、見ていて美しいものです。
トライアスロンの最後に、そのような走りの片りんだけでも見せられるように、わたしも修行あるのみですね!
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内容を一言で言うと、館山トライアスロン挑戦記です。
読み終わったら、あなたは必ずトライアスロンをやりたくなる!!
というわけで、ぜひ試し読みしてみてくださいね。
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