どうも。実は元ラガーマン(高校の部活だけね)のMahhyです。
ビート板を持ってキックで進むスイム練習、それが板キック(ばた足とも言う)です。
板キックはしんどいし、進まないから、正直面白くないし、そもそもやる必要があるのかいまいちわからない。
そんな人って多いと思います。
わたしもそうでした。
でも、最近ようやく板キック50mで60秒を切ることができたんですけど、板キックの効果が少し理解できたように思います。
60秒切りまでのプロセスと合わせて、なぜ板キックが必要なのか、その理由を素人スイマーならでは(ここポイント!)の目線から克明に説明しましょう!
泳ぎのうまい人には逆にわからない(多分当たり前にできるから今さら意識しない)ポイントが、キック練で見えてくるんです。ふふふ。
さぁ、Let’s キック練!
スイムの習慣化のために定めた板キックの目標タイム
トライアスロンの3種目の中で、わたしが最も不得意なのが、何を隠そうスイムです。
子供の時から、体育は好きだけど、夏のプール期間だけは憂鬱でした。
絵に描いたようなカナヅチとまではいきませんが、プールになると途端に劣等生になるわたしでした。
あの頃の自分がいまのわたしを見たら驚くでしょうね。
いや、速く泳げることにじゃなく、あんなに嫌いだったプールにせっせと通ってることにですよ。
コンプレックスと向き合うこと自体を客観的に面白いと思えるようになったのは、いい歳した大人になったからこそかな、なんて思ったり。
さてそんなわたしですが、スタンダードのトライアスロンレースでスイム1.5km30分切りを夢見て、日々トレーニングをしています。
スイムが速い人からしたらなんてことないタイムですが、30分切りはやはり憧れですよね。
なんて言いつつ、ちょっと着替えてランニングとか、ちょっとバイクにまたがってローラー台、とは違って、プール通いはやはり(ちょっとだけ)ハードルが高く、最近は忙しさを理由についつい足が遠のいていました。
気づけば1ヶ月に2回ぐらいしか泳いでいないような状況に…。
それではいかーん!ということで、マンガ版『「続ける」習慣』を参考にした習慣化ルールで、なんとか再びジムでコンスタントに朝スイムを行う生活を取り戻しました。
よしよし。
根付いてきた習慣をさらに確固たるものにするためには、適度なハードル、明確な目標が必要です。
そこで、一つ目標にしたのが
ビート板キック50mで60秒を切ること!
結論から言いますと、いま現在、何とかかんとか59秒で泳げるところまで来ました。
1秒上回っただけかい、と言わんでください。
これは自分にとってはすごいことなんです!!
なぜ板キック60秒切りを目指したのか
それでは、なぜわたしは60秒切りを目指したのか。
わたしが、「板キック50m60秒切り」を目標にしたそもそものきっかけは、「なんか泳ぎがうまくなるヒントはないかのぉ」とネットサーフィンをしていたところ、こんなブログ記事を見つけたからです。
チームアオヤマでのスイム指導は板キックで60秒を切らないとプル(手の動き)は指導しない!で徹底して行っています。
(中略)
板キックを避けている方が多いかと思いますが、キックが進まないと上手く泳げません。キックが入らない(打てない)と体幹を介して腕の動きが連動が付いてこないからです。
そのためキックができないうちにプルを指導してもバラバラの動きになるため、まずは60秒切りを目標にしています。
(Lapulemのブログより)
トライアスロンスクールLapulemのブログにこんなことが書いてあって、ドキッとしたんですよ。
なぜなら、わたしはスイムのトレーニングの中で、とりわけ板キックが嫌いだったからです。
板キックは疲れるばかりで全然進まないため、敬遠していました。
これでも中学、高校と部活でサッカー、ラグビーをやってきた男。
その時の貯筋(笑)で、脚の筋力は同年代の一般男性よりはあると思ってます!
なのに、板キックは蹴っても蹴っても進まなーい!
がんばって蹴ると25mですでに乳酸で脚がパンパンになる!
全然面白くなーい!!
人間は(というかわたしは?)、逃げ道を探すのが得意な生き物です。
トライアスロンはウェットスーツを着て泳ぐから、キックを打たなくてもちゃんと浮くし、バイク、ランに脚を残すために、スイムではむしろキックは打っちゃいけないよな。
本番のレースでは、あんなにバシャバシャキックしないよな。
これ以上、脚の力を鍛えても仕方ないよな。
だから、キックの練習をする必要もそんなにないよな~。
むしろキックしないでうまく泳げるように練習した方が実戦的だよな。
と自分に言い聞かせていたところがあります(どうです?心当たりありませんか?)。
何度かスイムクリニックを受けたことがあるトータルイマージョンスイムでも、板キックはあまり推奨されていません。
やっぱりキック練習は意味ないかも?
そういう考えでネットを調べると、「板キックは意味がないよ」的な情報ばかりをキャッチするわけで(これがネットの怖いところ)、余計やらなくなっていました。
でも、心のどこかでモヤモヤ引っかかっていたんです。
本当にキック練習しなくていいのか?と。
板キックをがんばってやった後にクロールで泳ぐと、なんとなくスムーズに泳げるような気もしていたので、自分の中で迷いがありました。
でもこれは、板キックより当然クロールの方がスピードが出るから、相対的に進んでいるような気がするだけなのか、それとも本当にキックの後は泳ぎが改善されているのか、自分ではそれが判断できず、踏ん切りがつかなかったんですね。
これが独学の欠点ですね。
次に板キックの必要性を教えられたのは、昨年、Lumina主催のスイムスクール「シーズンに向けたトライアスロンスイム」(国立代々木屋内水泳場)に単発(90分4500円)で参加した時のことです。
(当選した横浜トライアスロンに向けてがんばっていたのです。涙)
その練習会の宮杉理沙コーチ(E3 Fit コーチ。気さくで面白い人でした)は、はっきりとキック練習は必要と断言していました。
いわく、
エリート選手もスイムの練習では必ずキックの練習をする。
練習ではしっかりキックを打って心拍数を上げることが必要だし、本番では逆にキックを減らして省エネで泳ぐことが大事。
そして、キックをやると体に芯が通る。
だそうです。なるほどね。
とくに「キックをやると体に芯が通る」という言葉がわたしにはピンときました。
前から感じていた、キック練習の後になんとなくクロールがスムーズに進むなぁ、という感覚は、あながち間違いではなかったようです。
コーチの言葉は、初めに紹介したブログの文章「キックが入らない(打てない)と体幹を介して腕の動きが連動が付いてこない」ともつながります。
しかし、キック練習はいらない(もしくは重要性が低い。とくにトライアスロンのスイムには)という意見もあります。
さて、どうする?
あらためてシンプルに考えたら結論が出ました。
やれば効果がある、と言う人がいる。
やっても効果がないよ、と言う人もいる。
どちらが正しいのか、未熟な自分にはわからない。
だったら、わたしはやる方を選ぶ。
ただ、それだけです。
あれ?今なんかいい事言えたような気がする。
格言っぽく工夫して、もう一度。
「やるべきか、やらないべきか。可能性が半々ならやれ」
うーん、あまりうまくないな…。再考再考。
「やる人生とやらない人生。どちらが面白いかは考えるまでもない」
どう?格言ぽい?
ま、そんなわけでやっぱりキックの練習は逃げずにやってみよう、と決めたのです。
考えてみれば、そもそも1.5kmを30分以内で泳げるような人が、キックだけはめちゃくちゃ遅いとか想像できないですよね。
速い人はキックも速いはず!
日ごろプールで周りを見ていても、板キックが速い人は例外なくクロールも速いです。
「うわーキック速いなぁ」と思って見ていた人が、その後クロールをしたら全然遅かった、みたいなことはわたしが観察している限り、一度もありません。
これが事実です。
素直に考えれば、迷うことなんてなかったんです。
ただし、漠然とキック練習しよう、だとやる気もでないので、そこで最初にブログで見た
板キック50mで60秒を切ること!
どうせならと、これを目標にして練習することにしました。
ここまでが、板キック練習を決めた理由です(長いな)。
60秒切り達成にいたるまでのプロセス
基本的な練習メニューと意識したポイント
そりゃ理想は、鼻歌を歌いながら板キックをしても、ゆうゆう60秒を切ることですが、まぁそんなのは夢のまた夢。
とりあえずは、後先考えず、全力一本勝負で泳いで60秒切れたらOK、ということにしました。
上級女性スイマーが優雅かつ驚きのスピードで板キックしているのをみると、力じゃないんだな(正確に言うと、力だけじゃないんだな)というのはよく分かります。
いやーほんと息も切らさずに、シャバシャバと軽快に進んでいくんですよね。
足首のやわらかさ、下半身の浮き具合、抵抗の少ない姿勢、体幹の安定、水を押す方向、水を逃がさない蹴り方、など色々と要素があるんでしょう。
それもこれも、まずは60秒切り目指してやってみないと見えてこないだろう、と思い、あまり難しく考えず、愚直にキック練習を繰り返すことにしました。
これまでも、時々意を決して全力板キックをやってみたことは何度かあったのですが、せいぜい63秒といったところでした。
習慣化のおかげで、長い時間ではありませんが毎日スイム練習をするようになったので、練習のたびに必ず板キック50mを4本やることにしました。
4本でも1本ずつ目的を変えています。
1本目は水から顔を出した状態でアップがわりにリラックスして50m。
どうすれば足先までやわらかく使って水をとらえられるか、意識しながら。
そして、十分に息を整えてから、2本目で全力タイムトライアル!
今度は顔を水につけて、けのびの姿勢でどりゃー!と勝負をかけます。
息が続く限りは顔を沈めたままがんぼり、苦しくなったら顔を上げて息継ぎ。
50mで出し切るつもりで泳ぐので、終わるとぜーゼーハーハーです。
3本目はその息がまだきちんと整わないうちにスタートします。
60秒切りに挑戦するのは2本目だけなので(全力でやるので、ここで出なければその日はもう出ない)、もう死ぬ気でキックはしません。
息があがった状態でもキックを打ち続けて、太い心肺をつくるイメージです。
4本目は、その後のクロール練習につながるように、クロールのイメージを作りながらキックをします。
ビート板を若干押さえつける感覚、つまり前に伸ばした手になるべく重心を寄せる意識。
その分、下半身を高く、水面近くに保つ!
この腰の位置を覚えて、なるべくクロールの時も再現する。
そんなことを意識してます。
60秒切りするまでのタイムの変遷
では、毎日キック練習をした結果、実際にタイムはどのように変遷したのかを見ていきましょう。
ま、毎日といいつつ、土日や家庭の事情等でできなかった日ももちろんありますが、ほぼ毎日ということで。
5/29 65
5/31 64
6/1 63
6/4 63
6/5 59(ブレークスルー!初の60秒切り!)
6/6 60
6/7 63
6/8 69(だめだめだ…)
6/11 59(またできた!)
6/13 62
6/14 62
6/15 66(だめだめだ…)
6/18 59(土日休んだらできた!)
6/19 67
6/21 59(達成頻度が高くなってきた!)
いかがでしょう。
一進一退しているのが、よくわかりますね(笑)。
ご覧の通り、久しぶりに全力板キックをやってみた1回目は、65秒…。
前は63秒ぐらいはいけていたので、思ったより遅くてショックでした。
それでも毎日続けたところ、6回目についに!
なんかその日は、脚がシャバシャバ水面近くを小気味よく打てているなぁ、と感じていたのですが、タイムを見てびっくり!
生まれて初めて60秒を切りました!
これがブレークスルーというやつですかね。
と言っても、それから毎回60秒切れるようになったかと言われればそんなことはなく、だめだめな日は69秒かかったりしてました。
ま、これはジムで下半身の筋トレをやった後だったりとか、他の影響があります。
毎日やっていると、そういう傾向も見えてくるので、タイムに一喜一憂しなくなります。
明日も明後日もあると思うと、一回の練習に気負いすぎなくなり、だめでも「うん、また明日だな」と気持ちを切り替えることができます。
そうやって、だめだめな日がありつつも、淡々と毎日キック練習を繰り返していると、ちらほらと59秒が出せるようになってきました。
直近は、1週間で2回も達成できたんですよ!
「65秒が59秒になったって、6秒縮んだだけでしょ」と思いますか?
いやいや!
実際に6秒を頭の中で数えてみてくださいよ。ほらほら、結構長いですよね!
50mでこれだけ秒数が変わるということは、かなりスピードが上がったと言えるでしょう。
最初に紹介したブログ記事によれば、これでわたしもチームアオヤマでプルの練習を許可されるレベルに到達したことになります!
やっほぅ!
60秒切りで見えてきた板キックの効果
さて、では60秒を切ったいま、これまでとはちがった景色が見えてきたのでしょうか。
これが本題です。
いや、まぁ正直なところ、急に「スイムの奥義、開眼!」とかそういうことは全くありません。残念ながら(当たり前)。
それでも強いて挙げるなら、泳ぐ時に腰の位置を高く保つ感覚が少しわかってきたかな。
というのも、板キックで60秒を切るためには、わたしの場合ちょっとでも減速要素があるともうだめです。
腰が沈んでいる時は、まず60秒なんて切れません。
逆に、達成できた時はいつも腰および脚が水面近くにあり、軽快にキックが打てた感触があります。
そのためキック練習直後にクロールで泳いでみると、しばらくはこの腰を高く維持した感覚のままで泳げます。
下半身が沈んでいないと、とても水の滑りがよくて(当社比)、泳ぐのが気持ちいいなぁと素直に思えます。
ただ、それが長く続かないのがまだまだなところなんですけど…。
そこで、昨年受講した「シーズンに向けたトライアスロンスイム」(in国立代々木屋内水泳場)でコーチが言っていた言葉を、ふともうひとつ思い出しました。
コーチいわく、
下半身を沈ませないためには重心を前に持っていく意識が大事。
でも、クロールはやること(手の動きや息継ぎなど)が多いので、なかなか重心まで意識できない。
だからキック練習の時点で重心を意識しておくことが大事。
そうすればクロールで無意識に適切な重心にコントロールできるようになる。
こんな感じのことを言っていたんですよね。
今ようやくその意味が少し分かった気がします。
自分なりの感覚と言葉で説明し直すなら、
泳ぐ時の基本姿勢が感覚として身体に染みついてくる、と言えます。
わたしは伏し浮きは、いまも足がだいぶ下がった状態でしか浮くことができません。
「重心を高くしろ」「重心と浮心(肺)を近づければ足も浮く」とか教則本には色々書いてありますが、どうしてもできません(涙)。
だからほっとくと、泳いでいても下半身がズブズブと沈んでいきます。
でも、繰り返しになりますが、板キックで後ろ(下半身側)に重心が残っていると60秒切りはできません。
キックの力を借りて腰の位置を高くした時にだけ、いいタイムが出ます。
このいいタイムが出た時の、水の中での身体の位置や姿勢が徐々にインプットされるので、クロールで泳いでも、この基本姿勢が崩れると「あ、いまちょっと腰が沈みはじめたな」といった微妙な変化を感知できるようになります。
正解がわかるからこそ、できていないこともわかるわけです。
キック練習をしなかったら、この基本姿勢が身に付かず、いま自分がどういう状態で泳いでいるのか、正しく泳げているのかどうか判断がつかず、結果的にスピードも出ないということになるわけです。
それともう一つ。
これもLuminaのスクールでコーチが言っていた「芯が通る」という感覚ですよね。
たしかにこれはあります!
全力で板キックするとわかってきますが、脚だけがむしゃらに動かしても疲れるわりに進みません。
それよりも胴体部分をしっかり固めて、キックで生まれる前へ進む力を腰で受けとめた時にグイグイ進むようになります。
ただし矛盾するようですが、「よし、体を固めよう!」とかあまり頭で考えてやると、変な具合になります。
力強いキックを打ち続けようとすれば、それに負けないように自然と腹回りが安定するようです。
だからこそ、板キックの後にクロールをすると、手の動き、足の動きをしっかり体幹で支えられるようになり、進みがよくなりますし、わたしの場合下半身が左右に蛇行することも少なくなります。
意識してやる、ではなくて、自然とそうなる、というところがきっとポイントですね。
筋肉って使おうと意識して使うと、大抵の場合、使い過ぎて思ったより息が上がってしまうものですから。
まとめると、キック練習は泳ぐ時に重要な基本姿勢や、安定した土台を作り、それを体に覚え込ませるために必要な練習だと言えるでしょう。
うん、こうやって効果や目的が明確になると、またやる気も出ますね!
まとめ
いかがでしたでしょうか。
やはり毎日コツコツとひとつのことを繰り返してみると、今まで感じなかったこと、見えなかったものが見えてくるものですね。
わたしと同じようにスイムの苦手な人に「キック練習をちょっとはやってみようかな」と思ってもらえたらうれしいです。
それにしても、こうしてプールに連日通うことができるようになったのは、明らかに本を読んで習慣化の原則を学習したからです。
詳しくは「トライアスロンの練習を習慣化するための『「続ける」習慣』【根性じゃない!テクニックだ!】」。
そのおかげで、今までも時折挑戦はしていたものの一度として達成できなかった板キック50m60秒切りが、一ヶ月も経たずに達成できたのです!
毎日集中して取り組む期間の重要性もわかりましたが、もちろんこれをいつまでも続けるつもりはありません。
水泳が趣味ならそれでいいんでしょうけど、
わたし、トライアスリートですから!(ドヤ顔)
他にバイクもランもしっかり鍛えていかなければいけません。
あくまでも今月は、足が遠ざかっていたジムのプールに再び通えるように、習慣化することを目指して毎日泳いでいるというだけです。
来月は頻度を減らして、また別の習慣化(朝のバイクトレーニング)を目論んでいます。
習慣化はこれからわたしにどんな変化をもたらしてくれるのか。
ワクワクしてきますね。
私、AmazonのKindle書籍として
『アラフォーからのトライアスロン』を出版しました!
内容を一言で言うと、館山トライアスロン挑戦記です。
読み終わったら、あなたは必ずトライアスロンをやりたくなる!!
というわけで、ぜひ試し読みしてみてくださいね。
追記:Kindle Unlimitedなら読み放題で読めます。