どうも。毎日ひとつでも閃きがあればうれしいMahhyです。
トライアスロンをやっていて、わかってきたことがあります。
同じ脚を使う運動にも関わらず、ランとバイクには大きな違いがある!
ランが速い人が、イコールバイクが速いわけではないし、バイクが速くてもランは遅い人も少なくない、という事実です。
なんだそんなこと、と思うかもしれませんが、その違いの理由をはっきりさせることで、ランが苦手な人はランを、バイクが苦手な人はバイクを強化できるはずです。
目次
ランが得意な人とバイクが得意な人が一致しない理由
わたしも例にもれず、ランは得意な方ですが、バイクはそれほど速くありません。
具体的な数字をあげるなら、
ランは10kmのベストが38分30秒台(ま、いまは40分切りがせいぜいかも?)。
ハーフのベストが、1時間24分(いまは1時間半切りできるかな?)。
陸上経験なしの30代シリアスランナーの中では、まぁ飛びぬけて速いとかそういうわけではありませんが、トライアスロンのランではこれぐらいの走力があれば、だいたいラン単体のタイムは全体の上位2割ぐらいに入れます。
対して、バイクはというと、ずーっと巡航速度30~32km/hぐらいのレベルを推移しております。
(というわけで、ただいま「巡航速度35km/hへの道」の企画進行中なのですが…)
この実力ですと、ロードバイク乗りの中では正直言って、「ごく普通」レベル。中の中。
トライアスリートのレベルで言っても、バイクパートは上位4割に入るぐらいですかね。
ですので、レース中はバイクでは抜きつ抜かれつの場面が多く、ランにうつると抜かれるより抜く方が多い、というのが通例パターンとなっています。
なぜ、このような差が出るのでしょうか。バイクの練習不足は棚にあげて(笑)、その理由を考えてみたいと思います。
【考察1】体重がハンデになるラン、体重が力になるバイク
同じ脚を使う運動ではありますが、ランは自分の体重を一本の脚のみで受けとめて、持ち上げ、前に進ませなくてはいけません。
当然ながら、体重が重ければそれだけ脚に負担がかかるので、体重が軽い方が明らかに速く走れます。
対するバイクは、機材スポーツです。
脚でペダルを踏むことで、クランクが回り、チェーンが引っ張られ、後輪が駆動して、その結果バイクが前に進みます。
動力の発生源はペダルを上から下に(本当は丸く)踏み込む力。
上から下なので重力をうまく利用することが大事です。
脚の重さはもとより、体幹をしっかりさせていれば(つまり上と下の連結分がぐらついていなければ)上半身の重さもペダルにのせることができます。
つまり、体重が重い方がペダルに大きな力をかけることが容易なのです。
そしてヒルクライムであれば別ですが、平坦路をバイクで走る場合は慣性の法則が働きますので、一度スピードにのってしまえば、体重が重かろうがバイクは勝手に進みます。
むしろ重い方が多少の風で減速しないので、主に平坦を単独で走るトライアスロンのバイクにおいては体重が重いことは不利ではなく、利点の方が多いのです。
レースでもバイクパートは、重戦車型の人にがんがん抜かれ、坂道があるとその時だけはわたしの方が速いので追いつくのですが、また平地になると引き離される、というのがよくあります。
そしてランパートにうつると、そういった重戦車型の人はスピードが鈍るので、そこで逆転を狙うのがわたしです。
【考察2】求められる股関節の柔軟性がランとバイクでは違う!
しかし、中にはわたしより小柄な人(場合によっては女性!)や、細身で体重の軽い人で、バイクが速い人もいます。
もちろん脚力がある場合もありますが、もうひとつランよりもバイクで大きな差を生み出す要因「空気抵抗」をうまく味方につけている場合があります。
キロ4分程度のラン(時速にすると15km/h)でも空気抵抗はある程度影響してきます。やはり人の後ろを走ると楽ですから。
でも30km/h以上で走るバイクは、空気抵抗の影響がランとはけた違いです。
だからこそロードレーサーはトレインを組み、逆にトライアスロンではドラフティングが固く禁止されているのです。
そのため空気抵抗減をうたうヘルメットやフレームは数多くありますが、一番の抵抗となっているのは人間です。
いかに空気抵抗の少ないフォームをとれるかで、バイクの速度は大きく変わってくるのです。
ですので、ローラー台でスピードが出る乗り方で外を走っても、思ったほど速く走れないという落とし穴があります。
ペダルにかける力を最大にするフォームをローラー台では求めてしまいますが、そのフォームがそのまま実際にバイクの走力につながらないのです。
(「GT-Roller Flex 一辺倒の弊害(久々の実走にて)」)
逆にいえば、ペダルにかけるトルクが低くても、空気抵抗の少ないフォームを取ることができれば、単純に脚力がある人や体重が重い人よりも速く走ることが可能になるわけです。
空気抵抗の少ないフォームは、端的に言えば前面投影面積が少ないフォームです。
つまり上半身をなるべく寝かせ(地面と平行になるイメージ)、頭も起こさず前から見てその上半身の中に隠れるようにしたフォームです。
言うのは簡単ですが、やってみるとその難しさがわかります。
上体をふせるためには骨盤からある程度回転させなければいけません。
いわゆる「骨盤を寝かせた」状態です。
こうした時、股関節の固いわたしはペダルが12時の位置に来るあたりでは、かなりの窮屈さを感じます。
股関節がつまった、とよく言います。
このような股関節の屈曲は、ランではあり得ませんよね。
つまり股関節の固さは、バイクではものすごく弱点になるけれど、ランではさほど影響しない、と言えます。
股関節が固いわたしでも、ランは得意な方だったことがその証拠です。
もちろん故障予防などの総合的な観点から、ランでも股関節が柔軟にこしたことはないのでしょうが。
つまり、股関節の柔軟性アップはバイクのスピードアップに直結する可能性が高い!ということです。
【考察3】ランとバイクでは腹圧の意識が大きく違う
そして最後に、腹圧の違いです。
わたしのバイクの悩みは、レース中に腰が張ってくることでした(いや、別に解決していないので、過去形はおかしいか)。
で、どうも腹圧をしっかりかけてペダリングするとそれが解消されるようだぞ、と気づいたわけです。
(「ロードバイクの走力アップの近道はブレーシングの習得とみた!【腹圧の一歩先へ】」)
(「ロードバイクで腹圧をかけるには肩甲骨の柔らかさが大事かも」)
腹圧を高めることが腰椎の安定を生み出し、それが力強いペダリングをしても踏み負けない腰と体幹を作るのだ、ということがうっすら見えてきました。
じゃ、同じことをランでもやればいいか、と言えばそうではありません。
ランで、もしバイクのように下っ腹に力をいれて、体をぶらさないようにしたら、とても走れたものではありません。
胴体が固まって、脚だけ動かして走る、ロボットのような動きになります。正直、そういう走りをするランナーもいますが…。
ランは、むしろ腰の部分を支点としたねじれの力が重要になります。
腕振りを含めて上半身を、骨盤から下と逆方向にぞうきんのようにねじり、それによって引き伸ばされた大腰筋が一気に元に戻る力をいかして次の一歩を踏み出します。
(そこで大事なのは腕振りですね。「腕振りはなぜ「ヒジを引く」が正解なのか」)
脚が着地した時に、その地面からの跳ね返りをしっかり受け止めて推進力に変えるには、もちろん体幹がぐらついていてはいけません。
空気が抜けたボールが弾まないのと同じです。
だからランでも腹圧が抜けてしまってはいけないのですが、かと言ってバイクのようにブレーシングで腹をしっかり固める必要はないということです。
この違いが分からないからこそ、ランはそこそこ走れても、バイクが遅いというわたしのようなタイプが出てくるんだと思います。
まとめ
わたしなりの解釈を整理して記述してみました。いかがでしたでしょうか。
ランに比べてバイクが遅い場合に考えられる原因をまとめると、
・バイクは体重の重さがデメリットにならず、むしろプラスに働く。
・バイクの方が股関節の柔軟性が必要となる。
・バイクは、ランニング時とは腹圧の入れ方を変えなければいけない。
以上の三点となりました。
ぶっちゃけロードバイクは何も考えなくても、とりあえずペダルを踏めば進みます。
子供でも自転車に乗っているぐらいですから。
でも、たんに「バイクに乗る」ではなく、一歩進んで「バイクを速く走らせる」となると、実はものすごく複雑かつ難易度の高い動作や感覚、意識、イメージが必要となります。
そりゃ、ランだって簡単ではありません。
しかし、練習をこなす中で走り込んでいれば、自然とある程度わかってくるもんです。
なぜならランは、自分の脚でじかに地面を蹴って進むので、身体をどう動かせばスピードが上がるのか、逆にうまく進まない時はどこが疲れているか、など実感しやすいからです。
それに比べると、バイクは身体の動作がそのまま推進力に変わるわけではありません。
バイクという機材が間に入るために、よほどセンスがいい人でなければ、しっかりと頭を使って動きを理解しながらバイクに乗らないと、上のレベルにはいけません。
どうやらこのあたりが、わたしがランよりもバイクが苦手な理由のようですね。
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内容を一言で言うと、館山トライアスロン挑戦記です。
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