ジェットコースター的バイクを終え、いよいよレースレポートもラン編です。
バイクからランへ、第2トランジション
会津大学構内の降車ライン手前で焦らずバイクから降りて、トランジションエリアへ。
降車ラインからバイクラックはすぐそこなので、バイクシューズで走る必要はほとんどありませんでした。
思えば、まだ薄暗い早朝に1人でこの会津大学の会場へ来た時は、またここへ戻ってくることができるだろうか、と不安と緊張に包まれていましたが、何とかこうして無事帰ってきたぞ!とうれしくなりました。
て、これからきついきついランパートが始まるんですけどね(苦笑)。
朝しっかり下見をしておいたので、迷うことなく自分のナンバーのラックにたどり着き、バイクをラックに掛けてから、ヘルメットを取ります(トライアスロンではこの逆の順序はルール違反になります)。
そして、ラン用ビニール袋に入れておいたランニングシューズ、キャップ、そしてタオル(足拭き用)を取り出します。
おっとポラールのボタンを押さなきゃ。バイクは終了、と(ポチ)。
無理せずどっかりと腰をおろして、シューズを履き替えます。
シューズはサッカニー。靴紐はゴム製のキャタピランなので、簡単に履けます。
裸足で履くため、シューズの内側には擦れ対策としてワセリンをべったり塗ってあります。
キャップをかぶっていざ出発!
走り出しながら、ゼッケンベルトを回してゼッケンが前から見えるように。
ランのスタートラインを越える時に、ポラールのボタンを忘れずにポチッと。
きついきついランの始まり!
さぁ、あとはひたすら走るのみ!!
まずは大学のグラウンドを1周します。
ここが一つ今回のちょっとした反省点なんですが、私このグラウンドを走るのは、最後に距離合わせのために一周するだけだと勘違いしていました。
結論から言うと、このグラウンドを合計3周しました…。
事前のコース把握が中途半端でした。おかげでかなり精神的ダメージを受けました。
グラウンドはふかふかの芝生です。スピードにのれません。
どうせ、走り始めはスピードが出ないから、脚がほぐれていいやと考えて前向きに。
グラウンドを出ると、あとは舗装路です。
よし、行くぞと気合いを入れていたら、「おーい!」と声がして、沿道に家族を見つけました。
妻と娘、そして義父母です。
一瞬だったので、多分娘は気がついてなかったかも。
しかし、ありがたいです。
トレーニングでは20分走とかばかりしていたためか、10kmという距離がやけにハードルが高く感じます。
突っ込みすぎないように、まずは淡々と。
今回はバイクに引き続き、ランでもポラールを見ないで自分の感覚を信じて走っていたのですが、あとでポラールのGPS計測のラップタイムを確認したところ、始めの2kmはキロ4分を切るペースで走っていました。
そんなに飛ばしたつもりはなかったのですが…。
これは逆に言うと、いかにバイクで脚が残っていたかということですね。
思い返せば、トライアスロン特有のバイク直後の走りにくさをほとんど感じた記憶がありません。
ランのコースはグラウンドを出た後に、大学構内とその周辺を2周回するのですが、結構くねくねと曲がるので、いま自分がどのあたりを走っているのか、1周が終わるまでにあとどれぐらいあるのか、疲れた頭ではよく分かりませんでした。
さっき通り過ぎたと思った応援の家族が、また急にあらわれたり(コースを把握してショートカットしたらしいです)。
途中で、スタッフに輪ゴムをはめてもらいます。まずは1周目の黄色を。
とりあえず半分(5km)までは追い込みすぎないようにして、あとは出し切ろうと、やや自分に甘い言葉をかけながらがんばります。
うーん、行けども行けども、1周目が終わらない…。
コースマップが頭に入っていないのと、あっちこっち曲がりながら走るので、えらい長く感じます。
腹にさしこみがきそうな雰囲気が…。腹式呼吸を使って必死で横隔膜をグニグニ動かし(イメージ)何とかほぐして、ことなきを得ました。
いつも腹痛でペースダウンを余儀なくされていたので、これは大きい!
そしてようやく気づいたのですが、どうやらこのコースゆるやかながら上り基調の区間と下り基調の区間がある。
2周目からはそれを肝にめいじて走ることにします。
ようやく再び会津大学へ戻ってきました。
たぶんこのあたりから2周目なのかな、と考えましたがよく分からず。
自己計測では3~5kmはキロ4:04/4:13/4:16、とだんだん落ちていました。
まだ、半分かぁとげんなりしたところにさらに追い打ちが。
あれ?また最初に走ったグラウンドの方へ誘導されてる!
そうです、10kmのうち1回しか走らないと勘違いしていたグラウンドを、実はあと2回走らなければいけなかったのです。
すぐに、折り返せると思っていたところに、まだグラウンドを大回りしないといけないと分かり、ますます気持ちが折れかけます(自業自得)。
しかし、家族が、娘がみている!
恥ずかしい走りはできん!
と気持ちを奮い立たせて走ります。
おっと、大腿四頭筋(前モモ)につりそうな気配が!
バイクでポカリを少ししか飲んでいなかったので、ミネラルが足りなかったか!?と、その後いまさらながらエイドでスポーツドリンクをもらって一口飲んでみたり。
あとで写真をみると、だいぶ腰の落ちたカッコ悪いフォームになっていました。
こうなると、一歩一歩の着地衝撃が太股にくるので、それが一番の原因でしょう。
途中でフォームを修正する意識がなかったことが大きな反省点です。
気温もだいぶ上がってきました。
さいわいエイドは豊富にあるので、そのたびに濡れたスポンジをもらって、首やら脚やらあちこち冷やします。
キロ4分10秒台で走っていると、それほど抜かれるということはありません。
たまに抜かれて、相手の背中をみるとだいたい「JPN」の文字が。
くそぅ、速え、なんだジャパンて。
日本代表か、ちきしょう(よく制度を理解していない…)。
1周目で気づいたゆるやかなアップダウン。
2周目は上り気味のところは淡々と耐えて走り、下り気味のところは重力の力をかりて、やや呼吸を落ち着かせるように走り、とメリハリをつけます。
2周目の証、赤い輪ゴムをスタッフからもらいます。
と言っても、ここからまだまだ先がながいことは1周目で痛感済み…。
はー、きつい。はー、しんどい。
自己計測データをみると、7km地点まではキロ4分10秒台でねばっていましたが、8~9kmのところはキロ4:24/4:29、と垂れてきています。
ここはほんとうにしんどかった…。
ふと、ロードレーサー56氏のブログの名言「辛抱とは、辛いを自分で抱えると書く」(うろ覚え)が頭に浮かぶ。
そうだ、いまきっついけど、このきつさは誰かに与えられてるきつさじゃなくて、自分が自分の意志で自分に与えているきつさなんだ。
そう思うと、楽にはなりませんが、このきつさを自分で受け止めてやる!という腹がくくれました。
何も、これからさらにきつくしなきゃいけないわけじゃない。
いまのきつさを、最後まで抱えてゴールに持っていくだけだ。
いよいよフィニッシュ!
さぁ、大学構内に戻ってきました。
案の定というか、覚悟していた通り、やっぱり最後にもう一回グラウンドを走るようです。
く、きついぜ。ゴールはまだか?
しかしもう最終盤だろうと考え、絞り出すようにペースをあげて、周りの人を抜いていきます。
すると、ひとり抜かしたら猛然と抜きかえしてくる相手がいました。
ちくしょう、根性みせるじゃねぇか!
この好敵手とグラウンドでデッドヒートを展開します。
相手もかなり苦しそうな息遣い!いや、自分もだ!
少しだけ前に出ることができましたが、相手の荒い呼吸音がすぐ後ろに。
しかし!!
ゴールで待っているであろう家族。
娘の見ている前で、無様に抜かれるのだけはごめんだ!
そう思い、グラウンドを出たところで最後のスパート。
あ、ゴールゲートが見えてきた!
子供チアリーダーが声援をあげています。
ぬぉぉぉ!!!ラストスパート!!!
ちらっと後ろを見たら、ライバルが離れていたので、安心して笑顔でゴール!!
やったー!終わったー!きつかったー!
やり切った感。安堵感。苦しさからの解放感。達成感。いろいろな感情が一気に押し寄せてきます。
家族がいました。ふらふらとそちらに行って、たまらず地面にへたり込みました。
娘が「ぱぱー」と駆け寄ってきてくれたので、ひしと抱きしめ、あぁ幸せ。
最後にデッドヒートした好敵手と健闘を讃え合いあって握手。あぁスポーツマンシップ。
ランの結果とレース後のお楽しみ
さて、後日発表の公式結果を見ますと、
ランの公式タイム 41:38(43位)
自己計測データ アベレージ4:14/km(3:57/3:56/4:04/4:13/4:16/4:19/4:24/4:29/4:17)
総合タイム 2:23:24(30代男子22位)
うん、まぁまぁですね。
総合タイムだけ見るとものすごく速く思えますが、これはバイクパートが終始下り坂だからです。
ふぅ、なにはともあれようやくフィニッシュまでレースレポートが書けたぞ。
さてさて、レース後のお楽しみは会津大学構内で行われる閉会式パーティー。
会津名物が食べ放題なのです。
福島野菜をつかったカレーライスやソースかつ丼!
ソースかつ丼は大人気であやうく食べ損ねるとこでした。
レンタカーで来ていたため、ビールはぐっと我慢!
その分、宿に着いてからあらためて祝杯!
レースを終えてとんぼ返りするのはしんどいので、もう一泊することにしたのです。
温泉につかり、ゆっくり体をいやすことができました。
たまたま月曜日の仕事が休めたからですけどね。
ちなみに、レースを終えた当日は、達成感にひたってニヤニヤしていましたが、翌日にレース結果や各パートのタイムが分かってからは、自分の足りなかった部分の方が見えてきて、くやしさというか、もう次に向かって鍛え直していきたい気分の方が大きくなってきました。
まったく忙しない生き物ですね、トライアスリートっていうやつは。
うつくしまトライアスロン最高!
そんなわけで、2017年のメインレースとしていたうつくしまトライアスロンが終わりました。
変則的なワンウェイコースの準備は、なかなかややこしかったのですが、いろいろネットで調べることができたので助かりました。
この大会レポートもこれから参加する人の何かの参考になれば幸いです。
さすがに歴史ある大会なだけに運営の完成度が高く、終始ストレスなくレースができました。
関東近郊でトライアスロン大会を探している方、うつくしまオススメですよ!
実は自分にとって、スタンダードディスタンスのレースは3年ぶりでした。
これでまた自分の中でとまっていた時計が動き出した気がした、そんな大会でした。
あー、やっぱ思い返しても、楽しかったな(走ってる時は死ぬほどつらかったくせにね)。
私、AmazonのKindle書籍として
『アラフォーからのトライアスロン』を出版しました!
内容を一言で言うと、館山トライアスロン挑戦記です。
読み終わったら、あなたは必ずトライアスロンをやりたくなる!!
というわけで、ぜひ試し読みしてみてくださいね。
追記:Kindle Unlimitedなら読み放題で読めます。