どうも。ジム通いが板についてきたMahhyです。
今回はバイクのセッティングの話です。
トライアスロンにロードバイクで出る人の多くは、エアロバー(TTバー、DHバーとも)を使用しているかと思います。
TTバイクにはおよびませんが、それなりに空気抵抗が減りますからね。
でもその効果を最大限に発揮するためには、セッティングも重要になります。
今回、実走で気づいたフォームの修正を行うべく、ビデオカメラを用いてフォームチェックを行いながら、バーの角度等調整してみました。
その結果も上々だったので、その一連の行程(実走での気づき、ローラー台での調整、実走での再確認)をまとめてご紹介します。
トライアスロンはエアロバー必須
トライアスロンのバイクパートは、ドラフティングが禁止されているので、基本的に単独走です。
つまり、スタンダードディスタンスであれば40km、空気抵抗との孤独な戦いを続けることになります。
そのため多くの人はタイムトライアルバイクを使うか、ノーマルロードバイクの人でもエアロバーを付けています。
わたしは後者で、エアロバーをつけて、シートポストもサドルを前に押し出せるようにProfile DesignのFast Forwardという前乗り用に変えて、少しでもTTバイク風に乗れるようにしています。
エアロバーをにぎっていれば、最も空気抵抗の少ないフォームになっているはず。
わたし、そう思っていました。
たしかにブラケットを普通に握っているよりも、エアロバーを握っている方が背中のラインはいくぶん低くなります。
プロファイルデザインの新ブラケットを使うようになって、なおさらその効果が大きくなりました。
周回コース(彩湖)で、ブラケットポジションと、エアロバーを握ったTTポジションを交互に繰り返してスピードを比較したことがあります。
何度か行ったのですが、いずれの場合もTTポジションの方が、アベレージにしてプラス1km/hぐらい速いという結果でした(心拍数は同じぐらい)。
そんなわけで、これまでのトライアスロンのレースでも、平地を走る時はなるべくエアロバーを握るようにしていました。
ある実走での気づき
だがしかし、です。
先日、ローラー台ではなく外でトレーニングをしようとバイクで出かけました。
メインの練習ポイント(信号ストップなし、車なし、周回できる、荒サイからいきやすい、というわけでお気に入りの彩湖)に向かって走ってまして、途中に短い下り坂がありました。
せっかくなんで、空気抵抗の少ないフォームを探ろうと思い、ブラケットを握ったまま、なるべく上体を低く伏せて坂をスピードを上げて滑ってみました。
上体を伏せるといっても、腰の上から曲げるのではなく、股関節から折りたたんで、骨盤ごと前傾させるイメージです。
なぜ下り坂かというと、空気抵抗はスピードが出れば出るほど大きくなるので、下り坂は空気抵抗を体感しやすいのです。
風の引っかかりを身体で感じながら、それが減るのはどんなフォームか確かめることができます。
この時も、ちょっとでも上半身や頭が起きると、一気に空気抵抗が増えるので、なるべくスーッと滑っていけるような低いフォームを作りました。
で、下りきってしばらくそのフォームを維持して平坦を走ります。
うん、なかなかいい感じ!
そして上半身を低く伏せたまま、ブラケットからエアロバーに持ち替えてみようとしたところ、
あれ?
エアロバーを握ろうとすると、やや上体が起きてしまう?
どういうことでしょう?
ブラケットをにぎって、肘をまげた状態では、空気抵抗の少ないフォームが作れていたのですが、エアロバーではどうしてもそれができないのです。
むむむ。
その日は、それから彩湖1周タイムトライアルの予定でした。
今まではエアロバーを握りこんでがむしゃらに走っていたのですが、上半身が起き上がることに気が付いたので、ためしにバーを握らずに走ってみました。
エアロバーのパッドにヒジを乗せつつ、手はバーを握らず宙に浮かせたまま。
うーむ、気のせいではなく、やはりこの方が、たしかに上半身が低くなります。
急なハンドル操作ができなくなるので、手を宙ぶらりんにして走るのは、もちろん前後左右に人がいない区間だけ。
散歩の人などが近づいてきたら、しっかりハンドルを持ちました。
バーを握りこめないので、ペダリングに多少影響があるかなと思いきや、その日のタイムトライアルの結果はベスト更新(アベ0.1km/hですが…)。
多少なりとも、空気抵抗減がプラスに働いたものと思われます。
ビデオによるフォームチェックで検証
手ごたえを感じたわたしは、すぐにエアロバーの調整を行うことにしました。
こんな時に活躍するのが、ローラー台とビデオカメラによるセルフフォームチェックシステム!
バイクに乗りながら、目の前のモニタで自分の横からの姿を見ることができるので、フォームの確認と調整がめちゃめちゃやりやすいのです。
以前は、ビデオを録画モードにしてからバイクにまたがって少し走り、降りてビデオを再生して確認。それからまたビデオを撮って走って確認…。を繰り返していたので、えらいわずらわしかったのです。
さて、実際にモニタで確認したところ、
ブラケットを握った状態での理想のエアロフォーム(現在のわたしがとれる限界)がこれ。
で、そこからエアロバーに持ち替えたのがこれ。
やはり、エアロバーを持った方が若干上半身が起き上がることが確認できました。
ハンドルバーの上に肘パッド、ハンドルバーの下にエアロバーがくる、プロファイルデザインの特性上、パッドとエアロバーには落差が生まれます。
肘パッドよりも、エアロバーが低くなるため、ひじから先の前腕部をななめにおろさないといけないのですが、わたしの肩甲骨の硬さのせいでしょう。
腕を下げると身体が起きてしまうのです。
次に、理想のエアロフォームを維持できる前腕の角度を探りました。
これぐらい前腕が前上がりになると、上半身は起き上がらないことが分かりました。
つまり、この手の位置にエアロバーがくれば、上半身の低いTTポジションでもバーをしっかり握ることができるはず!
というわけで、まずエアロバーを前上がりに角度を調整しました。
角度をつけてバーが近くなったので、バーの突き出しをやや少なくしました。
そうすることで、バーの握りの部分がちょうど手の平におさまるようになりました。
結果的にこんな角度と位置になりました。
こうして、わたしのニューTTポジションがひとまず完成したのです!
ほんと、モニターを見ながらだと手探りでセッティングする必要がなくなるので、便利ですわ。
こうやってビフォー・アフターの比較も後からできるし。
彩湖でニューポジションの効果を検証
さて、ローラー台の上で仕上げたこのニューTTポジションが、果たして本当に効果があるのか。
結局のところ、実際に外を走ってみなければわかりません。
というわけで、時は6月11日の日曜日。
早朝にバイクで出発しました。
その日は台風が関東に接近する前日で、いまにも雨が降り出しそうな曇天。
当然、風は強い…。
まだ暴風とまではいかないものの、ローラー台が多く、実走で風の強弱を感じるセンサーが鈍いわたしでもわかる程度には強かったと言えます。
本当はもう少し天候のコンディションが良い日にテストした方が効果の有無が分かりやすいとは思ったのですが、それよりも早くニューポジションを試したい気持ちの方が勝りました…。
目指すは、いつもタイム計測を行っている彩湖。
まず、そこまでの道程で感じたこと。
フォームに窮屈さは感じない。
しかし、どうも二の腕が疲れる…。
前のセッティングでは肘パッドに対してまっすぐ上から体重がかかっていたのに対し、新しいセッティングではエアロバーとともに肘パッドも斜めになったため、バーに置いている腕がずれないように若干腕に力を入れる必要があるからだと思います。
ただ、これはまだ流して走っていた時に感じたことで、その後のメイン練習の時は気になりませんでした。
スピードを上げるべくペダルへの荷重が増えると、ハンドルへの荷重は減るためでしょう。
というわけで、大きな問題はないか。
さて、彩湖に到着したので、いっちょやってみるか!と1周タイムトライアルを開始。
風がいつにも増して強いので、ベストが出ないことは覚悟の上で、どれだけこのフォームで風に対抗できるか挑戦しました。
はたして、その結果は?
タイム 7:55
アベレージ 35.0km/h
心拍数 155bpm(Max 167)
ケイデンス 79rpm
お!一週間前に出したタイム7:53、アベレージ35.1km/hが自分のベストなので、そこから2秒落ちでおさまりました。
心拍数が160台を下回っているところを見ると、若干ギアが重すぎて筋肉ばかり使ってしまい、心肺の面で追い込みきれていないかな…。
それにしても、風が強かったなか、ほとんどいつもとタイム変わらずに走れたということは、事実上走力があがったと見ていいのでは?
自分的には結構しっくりきた感じです。
やはりバーがしっかり握れると、上半身も安定して、ペダルに力がかけられますね。
そしてその翌日、意外だったのはお尻ががっつり筋肉痛になったことでした。
筋トレもしていないので、理由はこのバイク実走しかありません。
最近、バイクだけでこんなに筋肉痛になることはなかったのですが…。
ニューポジションにして、今までより股関節の折りたたむ角度が深くなったので、大臀筋をしっかり使ったということだと分析しました。
少しでもフォームが変わると、身体の使い方も変わる。ほんとバイクは奥が深い。
ということは、このニューポジションで走っていれば、おのずとお尻が鍛えられるということですよね。
単に空気抵抗が減ってタイムが上がるだけでなく、筋力も強化されるので馴染んでくれば、きっともっと速くなるはず!
それと「ペダリングではお尻の筋肉を使うように意識せよ」とかよく言いますが、意識を向けることも大事ですが、しかるべきポジションにすれば自然とその筋肉が使われるという側面もあるんだなぁ、と発見しました。
まとめ【TTバイクがなくたって工夫次第】
というわけで、坂道下りで作ったエアロフォームを無理なくとれるようにするため、エアロバーの調整を行いました。
結果は上々(まだ一回しか走っていないけど…)。
やはりロードバイクをTT化するのは簡単ではないな、と痛感しました。
工夫し甲斐があって面白いですけどね。
で思ったのは結局、タイムトライアル専用バイクはこういうポジションが、最初から無理なくとれるということですね。
いや、ロードバイクでは前荷重になりすぎると安定した走行ができなくなるので限度がありますが、TTバイクはもっと攻めたポジションがとれるということか。
うーん、そりゃ速いわ(笑)。
でもまぁ、ロードバイクでも速い人はガンガン35km/hだ40km/hだ、と出しているので、言い訳せずにわたしもロードバイクでまだまだがんばろうと思います!
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